愛の距離がハカレナイ
その後、何となくソファで二人並んで座り、テレビを眺めていた。

「疲れた…。」

私は横に座っている祐介に身体を預ける。

「大変そうだもんな、今の阿里は。」

そんな事をつぶやいている祐介にも疲れを感じる。

「聞いてよ、祐介。」

私は香澄と三人で居る時のように、愚痴り始めた。

いつものようにゆっくりとうなずきながら聞いている祐介の手が、私の頭に触れた。

「阿里はすごいな。もしかしたら南川課長は阿里を営業として育てるつもりかもしれない。」

「なに馬鹿な事を言っているのよ。営業の仕事が私に務まるわけなんてないじゃない。つくづく感じたわ。祐介って本当に大変な仕事をしているのね。」

私はそっと祐介の手に触れる。

祐介の人肌がすごく恋しい。

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