愛の距離がハカレナイ
すると祐介が笑い出した。

「ついこないだまで、これを手に入れるために右往左往していた自分が居たなんてな。」

祐介の身体の震えが響いてくる。

「祐介?」

祐介はゆっくりと手を回し、私を簡単に胸に納めてしまった。

「阿里が俺の胸の中に居る。夢みたいだ。」

「夢じゃないよ。」

今度は私が祐介の胸にキスを落とした。

「自分でもこんな癒された気持ちになるなんて信じられない。」

私は顔を上げる。

祐介が優しく私の顔を見下ろしている。

「ありがとう、祐介。今までの関係を壊してくれて。」

「その言い方、阿里らしいな。」

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