愛の距離がハカレナイ
そう言いながら、細かな指示が続く。

私もその書類に走り書きを加える。

そんな私の様子に、珍しく南川課長の表情が緩んだ。

「そういう所だな。」

私は南川課長の意外な反応に少し驚いた。

「何かありましたか?」

怖々私は南川課長に問いかける。

すると一瞬南川課長の顔が強張った。

「君が先週いなかった時、別の者に仕事を頼んだら‥。」

南川課長はそこまで言いかけたが、ぐっと言葉を飲み込んだ。

「とにかく私の仕事は全て君に任せるに限るな。まあ、後は頼む。」

何となく釈然としなかったが、私はこれ以上南川課長に問いかけるのははばかられた。

南川課長が席へ戻ってから、香澄がこちらを向いた。

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