愛の距離がハカレナイ
私は祐介の胸で散々泣いた。

そう、それはまるで小さな子供の様に。

祐介はだまったまま、私の頭をそっと撫でる。

「やっぱり南川課長と何かあったんだな?」

「ん…、きっかけはそうかな…。」

「何だ?きっかけ?」

私は涙の後でぐちゃぐちゃな顔をつい祐介に向けてしまった。

「…ふふふ…。」

祐介の身体が震える。

無理して笑いをこらえているようだ。

「祐介?」

「やっと見せてくれた顔がそれか。」

私はもう一度祐介の顔を胸にうずめる。

「…平川と3人の時には絶対見られない阿里の表情だな。」

< 80 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop