愛の距離がハカレナイ
妙に満足そうな声を出す祐介。

「もう…、嫌だ…。」

そうつぶやいた私の顔を祐介はぐっと自分の方に向けた。

「…そんな阿里が可愛いと思ってしまうんだから、俺はよっぽどだな。」

そして無理やり唇を重ねた。

「阿里、俺には隠し事するな。」

私はじっと祐介を見つめた。

「何だ?」

「隠し事をしているのは祐介の方じゃない?」

祐介は何かに気が付いたような顔をした。

「…そうか。南川課長に聞いたんだな。」

私はコクリとうなずいた。

「ゆっくり時間を取って話したかった。でもその前に…。」

祐介は大きく息を吐く。

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