愛の距離がハカレナイ

「…どうした？武田さん。」

外出先でお昼になったため、ランチを二人で取っていた時だった。

「えっ？あっ、すいません。」

私は南川課長の姿を正面に見た。

「…仕事はちゃんとしているんだけど…、何というか心あらずっていう感じだね。まあ、仕事にミスがなければ、私は何も言う事はないんだけれどね。」

少し心配気な南川課長に、私は表情を緩めた。

「ちょっと疲れているだけです。ご心配を掛けて申し訳ありません。」

私は深々と頭を下げる。

「私に武田さんを癒す事は出来るんだろうか？」

私から視線を外し、少し遠い所をみながら、南川課長はボソッと言葉をこぼした。

「どうも…。私は武田さんの事が好きになってしまったようだ。」

「南川課長？」

「やはり武田さんは水島と付き合っているのか？」