愛の距離がハカレナイ
12
それは金曜日のお昼だった。

今日は午前中で会社に戻って来られた私は食堂に居た。

少し時間がずれてしまって、探さずとも席はすんなりと確保できた。

「…阿里。」

ああ、もう懐かしくも感じてしまうその声は…。

「座っても良いか?」

私が頷くと、祐介は私の前に腰を下ろした。

「仕事はどうだ?少しは慣れたか?」

私が欲しかった言葉じゃない…、正直少しイラッとした。

「うん、南川課長が気遣ってくれるから、何とかなっているかな。」

上手く笑えない私の顔はきっと引きつっている事だろう。

「仕事は楽しいか?」

「そうだね、やりがいは凄くあるよ。」

「そうか…。残念だな。」

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