愛の距離がハカレナイ
祐介がにっこりと笑った。

「でも今の阿里を無理やり連れていっても、仕事に未練を残すだけだろう。そんな阿里を毎日見ている俺だって、きっと後悔ばかりする事になるだろう。」

「…どういうこと…?」

「篤志さんともどうする事が、阿里の為に…、いや二人の為に何がベストなのかずっと相談していた。」

そう…、だから香澄に私は…。

ここで祐介の顔に真剣みが増した。

「俺は…、阿里を信じて日本に置いて行こうと思う。」

「祐介…?」

「せっかく阿里がああ言ってくれたんだ。後は俺の気持ちの問題だった。でも会社で南川課長と一緒にいる阿里の姿を見ると…。」

私は息を飲む。

「今までずっと隣にいる。それが南川課長に対する俺の優位点だった。でもそれをあの南川課長に奪われてしまう。」

「あのね、祐介、私…。」

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