君と二度目のお別れをします。

「おとうさんとおかあさんも、透也さんが亡くなってからずっとつらい気持ちを抱えていらっしゃると思うのに……。私の決断を受け入れてくださり、ありがとうございます」

目尻に浮かんだ涙を指先で拭うと、彼のお母さんが私につられるように目を潤ませた。

「何言ってるの。暖乃ちゃんはまだ若いんだから。透也のことなんて早く忘れて、自分の幸せを考えなくちゃだめよ」

「いえ、私は透也さんのことは忘れません。この先も絶対に忘れたりしません。別の人と人生を歩むことになっても、彼がとても大切な人だったことには変わりないですから」

私が力強く言うと、彼のお母さんは堪えきれずに目頭を押さえて俯いた。

「ありがとう。暖乃ちゃんにそんなふうに想ってもらえて、あの子もきっと喜んでるわ」

声を震わせるお母さんの隣で、お父さんが小さく頷く。

私たち3人はそれぞれ涙を堪えながら、今は亡き彼に思いを馳せた。
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