この手ひとすくいの温もりをください。
一人ぼっちの雲
ふと気が付くと、私は真っ黒い布にガラスの破片を散りばめたような、果てしない空間に、
ただ一人で浮いていた。
ねぇ、と誰かに問うわけでもない私の細い声も、何処かに吸い取られるようにすぐに消えてしまった。
ここは宇宙だな。
と、私は直感的にそう思った。
理由とかがあるわけじゃなくて、瞬間的に、本能のようにそう思ったのだ。