この手ひとすくいの温もりをください。
「何?あれ。ついさっきまでは無かった…
よね…?」
不審に思いつつ、近付くのは気が引けるので、よく目を凝らすと、
その物体の中に数人の大きな人影と、それらによって囲まれている小さな子供が台の上に横たわっているのが見えた。
その子供は、髪が短くて男女の区別はつかないが、鼻にチューブを付けていて、目は閉じたままだった。
「手術…?」
不思議なこの状況の成り行きを見守っていると、人影のうちの一人が、銀色の、先の尖った細いものを、
治療台に横たわる子供に突きつけた。
その顔には薄い笑みを浮かべている。
「え…なんかちょっと変?あっ、待って、
ダメ……っ。」