この手ひとすくいの温もりをください。

「何?あれ。ついさっきまでは無かった…
よね…?」


不審に思いつつ、近付くのは気が引けるので、よく目を凝らすと、

その物体の中に数人の大きな人影と、それらによって囲まれている小さな子供が台の上に横たわっているのが見えた。


その子供は、髪が短くて男女の区別はつかないが、鼻にチューブを付けていて、目は閉じたままだった。


「手術…?」


不思議なこの状況の成り行きを見守っていると、人影のうちの一人が、銀色の、先の尖った細いものを、
治療台に横たわる子供に突きつけた。

その顔には薄い笑みを浮かべている。


「え…なんかちょっと変?あっ、待って、
ダメ……っ。」

< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

「あるところに」

総文字数/342

詩・短歌・俳句・川柳3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop