ロミオは、愛を奏でる。

リョーちゃんと

今日1日一緒にいれる



「イト、なに?その荷物」



「ママがいろいろ作ったから
お兄ちゃんとこ持って行ってって…」



ママが張り切って作った料理

リョーちゃんが持ってくれた



「この前も一緒に帰った時
イトでかくなったな…って思ったけど
ヒール履いてんのか…
キャリアウーマンぽくていいじゃん
仕事、どぉ?
もぉ慣れた?」



「んー…まぁまぁ…」



キャリアウーマンでもなくて

キャリアウーマンになりたくもなくて



まだ仕事もヒールも慣れてない

毎日足が痛いのに無理して履いてる



「リョーちゃんは?
仕事、楽しいの?」



「うん、オレはやっとかな…
最近、やりがいを感じる

イトみたいに新入社員の時は
不安もあったけどね

楽しいとは違うけど
やっと、やりたい仕事できてる感じする

だから
叔父さんにも報告したかったんだけどな…」



「リョーちゃん頑張ってるね

海外なんて、私は無理だな…

すごいな…リョーちゃん」



「昨日も思ったけど
イト、変わったね…」



「ん?なにが?」



「私…って言ってる
もぉ、自分のことイトって言わないんだな」



「あ、うん…
お兄ちゃんにずっと注意されてて
社会に出るまでに直せ!って…」



「たしかに…

でも、イトが大人になったみたいで
なんか違和感ある」



「大人だよ…私…」



もぉとっくに

お酒も飲める年齢だし

結婚もできる年齢



リョーちゃん

とっくに20歳すぎたんだよ





他愛のない会話をしながら

お兄ちゃんの家に着いた



聞きたいことは聞けなかった



リョーちゃんは今

彼女いるの?


20歳の約束忘れてた?



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