ロミオは、愛を奏でる。

タクシーで実家に帰った



「ハーア…」



「ハーア…
イトのあくび、うつったじゃん」



「朝帰り、初めて…」



イトが笑った



タクシーの窓から入る朝の光に透けて

イトが綺麗だった



髪からオレと同じシャンプーの匂いがした

あの人のタバコの匂いは消えてた



リョーちゃん、嫌いにならないでね…

ならないよ



「イト、今度一緒にテーマパーク行こうよ」



「え!いいの?」



「うん
だって行く人いないんだろ」



「うん!」



ホントはオレが

イトと行きたいんだ


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