ロミオは、愛を奏でる。

リョーちゃんに電話したけど

やっぱり言えなかった



「イト?どーした?」



「リョーちゃん忙しい?」



「んー…今日はちょっと、忙しい、けど…
なんで?」



「また今度
リョーちゃんのマンション行ってもいい?
リョーちゃんが暇な日でいいから…
あ、暇な日なんかないか…」



「んー…時間は作れるけど…
でも、マンション来たって何もないじゃん
外で飲む?」



「何もなくていい
星が見たいから…」



「星?そんなのどこでも見れるじゃん」



どこでも見れるよ



「…」



ただリョーちゃんに会いたいんだよ

リョーちゃんと星が見たいんだよ



好きだから…



やっぱり言わなきゃ

わかんないよね



「イト、また明日、電話する」



「うん、ありがとう
リョーちゃん忙しいのに、ごめんね」



「イトから電話してくれて、嬉しかったよ
ありがと」



リョーちゃん優しい

やっぱり好きだ



なんか忙しそうだったな…



私の相手するために

日本に帰って来たわけじゃないもんね



わかってるけど

ごめんね


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