ロミオは、愛を奏でる。
観覧車の中は
私とリョーちゃんしかいなかった
世界に私とリョーちゃんしかいなければ
リョーちゃんは私を好きになってくれるのかな?
でも
ずっと好きだった人がいるなら
無理だ
きっと何周しても
リョーちゃんは
私を好きにならない
「イト、まだなんか乗る?」
「んー…」
周りを見たらカップルばっかりだった
いいな…
羨ましくなる
私はまた
リョーちゃんからもらった腕時計を握った
「なんか雨降りそうだな…
イト、帰ろっか…」
天気予報は晴れだったのにね
せっかくリョーちゃんと来たのに…
「うん…そーだね…帰ろう」
余裕がなくて空も見れなかった
もぉ今日は私も限界かも
「あ、雨あたった…」
「え、そぉかな?」
「イト、走ろう!」
リョーちゃんがまた
私の手を掴んで走った