ロミオは、愛を奏でる。
「いらっしゃいませ〜」
「イト…
どれがいい?
…
イトに買ってあげたい」
リョーちゃんに連れて来られた場所は
前に腕時計を買ってもらったお店だった
「え、だって…
今度は、なんのお祝い?
この腕時計もまだ壊れてないよ」
「今度は、お祝いじゃなくて
腕時計でもない」
リョーちゃんの視線の先には
アクセサリーのショーケースがあった
「イト、好きなの選んで…
…
さっきオレ、ゲーム勝ったじゃん
だから、買わせて…」
「え、でも…」
負けたらならわかるけど…
「いいじゃん
オレも無駄に働いてないし
腕時計の時よりも多少出世してるから」