ロミオは、愛を奏でる。

リョーちゃんは

私の涙が止まるまで

抱きしめて待ってくれた



「イト…
今日も星見れそうだよ」



リョーちゃんの胸から声が響いて

ゆっくり顔をあげたら

外が少し夕方になってた





どれくらいリョーちゃんの胸にいたんだろう



「ごめん…
もぉ、こんな時間…」



「こんなに待たせたのは
オレだから…

約束、忘れてたわけじゃないんだ

あの時の告白もちゃんと憶えてる
ホントにかわいかった、イト

20歳まで待たせて
20歳からまた待たせた

イトを幸せにできるか不安だった

イトの近くにいたくて
日本に帰って来た

ずっと、抱きしめたかったよ、イト」



私の頬に

リョーちゃんの頬が優しく当たった



ドキドキして

離したら



リョーちゃんと目が合った



ドキン…



「イト
さっきの返事、もらってもいい?

オレと付き合ってください
オレの彼女になってください

イト
好きだよ」



気持ちは

あの時の私に戻る



リョーちゃんに

自分の気持ち

精一杯伝えたあの時



「リョーちゃん、好き…

リョーちゃんの彼女になりたいです」



「イト…
キスして、い?」



「え…」



また、ゲーム?



「あ…イト、今照れた」



やっぱりゲームだ

どこからがゲームだった?



私を好きだっていうのは?



「オレも照れてるから、引き分けか…」



恥ずかしくてうつ向いた私の唇を

リョーちゃんの唇が優しく拾った



ーーー



「引き分けのキス…

イト、大切にするね」



「うん」



「イト、好きだよ」



ずっと欲しかった言葉



2歳からずっと好きだった人の

彼女になれた


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