ロミオは、愛を奏でる。
ベッドでイトが目を擦った
無防備でかわいい
これでいい
イトが隣にいるだけで…
自分に言い聞かせた
イトの手がまたオレの腕に絡んだ
イト眠くないの?
「なんでしばらくマンション来なかったの?
今まで普通に来てただろ」
「今日、来た」
それだって、オレが言ったから来たんだろ
「リョーちゃん…こーしてもいい?」
イトが抱きついてきた
なに?イト
どんな気?
寝ぼけてる?
イト
かわいいな
ーーー
イトの額にキスした
「私、リョーちゃんのヒザの上も好きだけどね
リョーちゃんとこーして抱き合うのも好き
向き合ってた方が、安心するの」
イト
この前のこと気にしてた?
オレの方、向くなって言ったよね
「この前は
イトの部屋だったし…
お父さんとお母さんに
挨拶したばっかだったし…」
向き合うことが照れくさくて
無理だった
「リョーちゃん
私のこと、好き?
…
なんか…
まだリョーちゃんの彼女になれたことが
信じられない」
イト
不安だった?
「好きだよ
オレの彼女だよ、イトは」
付き合ってみてわかったことがいろいろある
オレ、イトのことスゲー好き
まずソレ
「ホントに?好き?」
イトは
どんな言葉をもらったら
安心する?
「んー…好きっていうか…
…
好きを超える
…
愛してるよ…イト」
イトは強くオレを掴んだ
きっとイトは言葉じゃなくて…
オレもイトを強く抱きしめた
愛してるから
大丈夫だよ
イト
イトが甘く香った
「リョーちゃん、ありがと」
どんな言葉よりも
向かい合って抱きしめたら
イトはオレを信じてくれる
オレもなんか癒やされた
「うん…
このまま寝よっか…
イト、おやすみ」
イトの髪を撫でた
イトの温もりが気持ちいい
「リョーちゃん
私、今日、寝ないよ…」
「え…?」
それが何を意味してるか…
教えて、イト
「リョーちゃん…
…
愛してよ…」
イトの細い腕に引き寄せられた
ーーーーー
イトからキスした
ドクン…
ーーーーー
キスで返したら
ーーー
ーーー
ーーーーー
止まらなくなった
いいの?
イト
ーーーーー
ーーー
唇から耳元に
鎖骨から胸元にキスを落とした
イトの白い肌が熱く火照った
触れた場所から伝わる鼓動
この前は初めてって知らなかったけど
初めてって知ってしまうと
妙に緊張する
でもきっとイトの方が緊張してる
「イト、緊張してる?」
イトの乱れた髪にキスした
ーーー
「リョーちゃんが
愛してくれてるから…大丈夫だよ」
「うん…ずっと愛してるから…
…
大切にする、イト…」
ーーーーー
ーーーーー
オレの腕の中で
イトは優しく溶けた
今日は寝息じゃなくて
吐息だった
「愛してる…イト…」