ロミオは、愛を奏でる。
「リョーちゃん
1年記念、行ってみたいレストランあるんだ
そのレストラン、予約2ヶ月待ちだから
今から予約すれば取れるかも!」
イトと付き合ってもぉすぐ1年
確実に1年前より
オレはイトを好きになってる
順調に時が進んでる
ふたりだけの思い出も増えた
記念日、イベントもふたりで過ごした
でも…
「イト…
イトに言ってないことがある」
「え?なに?」
「1年記念、イトと一緒にいれない
ごめん…」
「仕事?
それなら仕方ないよ
別に当日じゃなくても
リョーちゃんの都合に合わせるよ」
「ごめん…
その頃オレ、たぶん日本にいない
…
そろそろ戻らないか…って言われてるんだ」
イトの近くにいたくて
国内勤務を希望した
こっちに帰って来なければ
イトとまだ付き合ってなかったかもしれない
生涯付き合うことなんてなかったかもしれない
でも…
「次は…いつ帰って来れるの?」
「次は…しばらくないかも…」
国内勤務はもぉないかも…
イトには言えなかった
きっとイトは1年記念日
楽しみに計画してたんだろうな
「そっか…
…
じゃあ…
…
でも、私、リョーちゃんのこと好きだよ
遠くても大丈夫だから…
我慢するから…
…
だから…
別れないよね?
ずっとリョーちゃんの彼女でいれる?」
何言ってんの?
イト
「オレも別れる気なんてないよ
…
イトとずっと一緒にいること考えてる」
それしか考えてない
別れるとか、ないから…
だけど…
一緒に来てとは
まだ言えなかった
「イト
離れてても、気持ちは離れないから
大丈夫だよ」
イトを抱きしめた
その大丈夫には確信はなく
離れたらイトと向き合って
抱き合うこともできなくなる
大丈夫かな?
オレ
ごめん
イト
今度はちゃんと迎えに来るから
待ってて…