ロミオは、愛を奏でる。

世界一リョーちゃんに近いと思ってた



「イト…愛してるよ」



リョーちゃんはいつも耳元でそう言ってくれた

付き合ってから何回言ってくれた?



リョーちゃんの声

リョーちゃんの手

リョーちゃんの熱



全部、私のものだった

ずっと一緒だと思ってた



ずっと近くで

ずっと隣で



息をすれば肌に届くくらい

触れてなくても体温を感じられるくらい

近かった



ねぇ、リョーちゃん

抱きしめてよ

触れてよ

愛してよ



夜空を見上げても

リョーちゃんのタバコの煙は見えなかった



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