ロミオは、愛を奏でる。

ユートとはたまに飲みに行った



「オレ、ビール
ユートは?」



「じゃ、オレも…」



「ビールふたつ!」



「リョータ、就活順調?」



「うん、まぁ…
叔父から面倒みてもらって
なんとか決まりそう」



「海外行くの?」



「そこが決まったらね」



「リョータすげーな…
オレなんて、ずっと実家にいるのに…」



オレは実家にいれない理由があったから…


けど、海外行きたいのは前から思ってた



「ハイ、ビールふたつでーす」



「「おつかれ」」



カチ…



「就職しても
ユートとこうして飲めるといいな…」



「それはオレのセリフ
リョータが近くにいなきゃ飲めない」



オレ達

産まれた時から

ずっと近くにいたもんな



「木々羅、元気?」



「んー、元気
この前、就職決まったって言ってた」



「いつ結婚すんの?」



「就職して、ちょっと落ち着いたらかな…」



「へー…もぉプロポーズしたんだ」



「大学卒業したら正式にするつもり
リョータ結婚式来れる?」



「もちろん行くよ!」



「でもその頃リョータ、日本にいないだろ」



「どこにいても絶対行くから、絶対呼べよ!」



「ありがと」



ユートが幸せそうに笑った



オレも幸せになる

大好きなふたりが幸せなら



「リョータは?
最近、彼女は?」



「いないけど…」



「めずらしいな
けど、好きな子はいるんだろ」



よく知ってるね

さすがユート



「んー…まぁ…

オレなんか
1年まともに付き合ったことないのに…
リョータと木々羅
もぉ4年?え、5年か!」



「リョータ、モテるもんな
だからサイクルが早い」



「モテるっていうか…
告白してくれる子だってさ
オレのことよく知らないで
好きとか、付き合ってとか簡単に言って
付き合ってみたら違ったってなるからね…

だからオレは
自分が選んだ子としか付き合わないのに
それはそれですぐフラれるしさ…」



「オレはリョータのこと好きだけどね」



「ユートありがと♡
オマエがそぉ言ってくれるなら
もぉそれでいい
オレ、どこがダメなんだろ?」



「別にどこもダメじゃないけどな…
不安になるんじゃないかな?
リョータが彼氏だと」



「オレ、浮気とかしたことないけど!
好きになったら結構一途」



「リョータは浮気しなくても
彼女は心配なんじゃない?」



「は?勝手に心配すんな」



大学入ってから付き合った子とは

長続きしない理由なんとなくわかってた



浮気ではないけど

他に気になる人がいて

たぶん本気で付き合えてなかった



気になる人?

木々羅?



じゃないよ


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