ロミオは、愛を奏でる。
チャペルの鐘が鳴って
幸せそうなお兄ちゃんと珠莉ちゃんが見えた
珠莉ちゃんドレス似合ってる
「「いいな…」」
隣にいたリョーちゃんとハモった
「イトもドレス着たいな…」
「うん、イト似合うだろうな…」
「ホントに?」
「うん
きっと、イトもいつか着れるよ」
リョーちゃんを見上げたら
リョーちゃんは優しく頷いた
いつか…
リョーちゃんの隣で着たいな
「いつだっけ?
ピアノの発表会の時のドレス
かわいかったよ」
「そんなの、小学生の時の話でしょ!」
「うん、あの時のイトかわいかったよ」
ホントは珠莉ちゃんが1番かわいいって
思ってるクセに!
「リョーちゃん
珠莉ちゃんと結婚したかった?」
「なんで?今更」
「さっき、いいな…って言ったよね?」
「言ったけど
ふたりが幸せそうだったから
羨ましくて言っただけ…」
リョーちゃんは
もぉ本当に珠莉ちゃんを好きじゃなくなった?
もぉ珠莉ちゃんに未練はない?
珠莉ちゃんは
きっとお兄ちゃんのことが大好き
大好きな人と結婚できた珠莉ちゃんが羨ましい
イトもいつか
大好きな人と結婚するのかな?
その相手が
リョーちゃんだったら最高なのに…
でも
リョーちゃんもいつか
大好きな人と結婚するのかな…
「それより緊張してきた
ヤベー、ドキドキする
友人代表のスピーチするんだよね、オレ」
イトもドキドキするよ
リョーちゃんの隣にいるだけで