ロミオは、愛を奏でる。

お兄ちゃんがいなくなって寂しい

そう言ったイトが愛おしくなって

ヒザの上にのせた



冗談で言ったつもりなのに…



半分本気だった

や、9割本気だった



しかもオレ

イトの兄ちゃんでもないし



オレのヒザの上は

イトの特等席って前に言ってたから…



覚えてる?

イト



ヒザの上に座ったイトが

懐かしい…

そう言った



あ…覚えてたんだ…って嬉しくなった



懐かしいけど

イトはあの時と違ってて動揺した



いい匂いがして身体も子供じゃない



薄いシャツから出る白い肌に

触れたくなった



抱きしめたら

イトが緊張したのがわかった



ドクン…



すぐに、ごめん…て思った

こわかった?イト



イトをヒザから下ろした



酔ってたなんて嘘だった

二次会では飲んでないし…



オレに会いたいって連絡してきたイト

オレのヒザの上に座ったイト



どんな意味で?

どんな気持ちで?



きっと意味なんかなくて

あの時のまま

あの時の素直で無邪気なイトのまま

オレと接してくれようとしたのに

オレが勝手に勘違いして

オレだけ気持ちが高ぶった



ごめん

イト


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