ロミオは、愛を奏でる。
「えー、悠人くん、珠莉さん
ご結婚おめでとう御座います
…
大好きなふたりの幸せそうな姿を見て
今日はホントに嬉しいです
…
ふたりとは高校の同級生で
ユートとはそれ以前から…
生まれた時から一緒で
オレはユートが大好きで
たぶんユートもオレのこと
1番の親友だと思ってくれてると
信じてるんですけど…
だから今、選ばれてここに立ってます
…
今日、何年ぶりかにふたりに再会して
想像してた以上にお似合いで
思ってた以上に羨ましくなりました
…
えー、ちょっと、
泣いてもいいですか、オレ…」
リョーちゃんの友人代表のスピーチ
会場がザワついた
「え、誰?ちょーイケメン」
「なに?芸能事務所かなにかの?」
「悠人くんにそんな友達いたの?」
さすがリョーちゃん
やっぱりカッコいい♡
「高校時代
オレも木々羅のこと、好きでした!
でも、木々羅はユートを選んだ
オレ、フラれました
…
あの時、ユートと親友だったこと
悔やみました
親友じゃなかったら
どんな卑怯な手を使っても奪いたかった
それぐらい好きでした
…
でも今日、ふたりを見て…
あの時の木々羅の選択は
間違ってなかったんだな…って
納得しました
…
5年後も10年後も
ふたりの幸せが続きますように…
…
オレなんかが願わなくても
きっと30年、50年…死ぬ時まで…
この人でよかった…って
ふたりならきっと愛し合ってると思う
…
木々羅…きっと生涯幸せだよ
…
ユート…ありがとう
ずっと親友でいてくれて…
…
それから…
これからも大好き!
愛してるユート!
…
ふたりに幸あれ…」
パチパチパチパチ…
リョーちゃんに愛されてるお兄ちゃんに
ちょっと嫉妬した
「一般人じゃないでしょ、あのオーラ」
「どこの事務所?」
「彼女いるのかな?」
「そりゃー、いるでしょ」
「あんなカッコよかったら隣に並べないよね」
「きっと彼女もモデル級なんだよ」
リョーちゃんのスピーチの間
ずっと会場がザワザワしてた
リョーちゃん
カッコいいもん
そーだよ
彼女いるよ
リョーちゃんの隣に並ぶなんて
イトは
やっぱり無理なのか…