ロミオは、愛を奏でる。
リョーちゃんと一緒にコンビニを出た
「イト、あんな驚かなくてもいいだろ
レジの店員さんもビックリしてたし…」
「だって、リョーちゃんが急に…」
レジの女の子は
ビックリしてたけど
目が♡になってた
リョーちゃん
やっぱりカッコいいね
リョーちゃん何歳になった?
23歳+5歳
28歳か…
10代のころは28歳てオジサンだと思ってた
リョーちゃんはいつオジサンになるんだろ
コンビニから一緒に帰った
私の影の隣に
リョーちゃんの影が並んであることが
不思議だった
「リョーちゃん、ひとり?」
「なに?その質問」
「ひとりで帰って来たの?」
次に会う時リョーちゃんは
もしかしたら
彼女を連れて来るんじゃないかって
勝手に思ってたから…
リョーちゃんの影の隣にある影は
ホントに私の影だよね?って
ちょっと思った
コンビニから出る時も
外で女の人が待ってたらどーしよう…って
少し不安だった
「え…ひとりだけど…
なに?
イト、まさか何か見えるとか?
怖…
…
世話になった叔父さんが先週亡くなったんだ
就職も面倒みてもらってさ
今の会社も叔父さんのおかげで入社できた
…
もしかしてイト
叔父さんがオレの隣に見えるとか?
…
それなら本望だな
大事な存在だったから…」
大事な存在
リョーちゃんはその人のために帰って来たのに
自分が考えていたことが
すごく不謹慎に思えた
「見えないよ
私には、そんな力ないよ」
「なんだ…」
少し残念そうに
リョーちゃんはタバコに火をつけた
「リョーちゃんタバコ吸うんだ」
「うん、海外ってタバコ高いんだよね
だから、日本に帰って来たら吸いすぎる」
煙が夜空にあがった
「イトも酒なんて飲むようになったんだ
あんまり飲みすぎんなよ」
コンビニの袋を覗いて
リョーちゃんが言った
リョーちゃんが
どこかの国でタバコを吸ってる間に
私は20歳になったよ
こっちだけかな?
時間が進んでるのは…
リョーちゃんはまだ
私を子供だと思ってる?