また君と恋する
視線は下を向いたままだけど、時々、早瀬君の方を見て静かに聞いてくれているのを確認する。

一言一句逃さぬように。真剣に耳を傾けてくれて。

それがすごく嬉しかった。

「いろいろ考えたんだけど、ずっと引っかかったままだし、これから家でも学校でも一緒ならちゃんと向き合わないと、って思って……」

「……」

「私と別れた時のこと早瀬君はどう思ってる?」

最後だけはちゃんと早瀬君を見て言えた。

気が付けばドラマはエンディングを迎えていたけど、そんなのもうどうでも良くて。ただ、エンディング曲のしっとりした曲調が今の雰囲気に合っている。

私の質問に、早瀬君は言葉を選んでいるようだった。

何を考えているか分からない。

でも、一生懸命考えてくれていることだけは分かった。

漂っていた視線がこちらを向くと、ようやく口を開いた。
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