また君と恋する
心地良いリズム。

抱き締められてドキドキしているのに、不思議と落ち着いてくる。

まるで子供のようにあやされているみたいだけど、それでもいつの間にか涙は止まっていた。

「それとさ……」

胸を借りているせいか、早瀬君の声が響く。

「由麻は、俺が優しくするのは気を使っているからって言ってたけど、俺、気を使ったことねーよ」

「そうなの?」

「俺は優しく接してるつもりはない。したいように接しているだけ。じゃなきゃ、もうちょっと女子に優しくできるよ」

「ふふふ。確かに」

「だから、やっぱり由麻は俺にとって特別、なんだと思う」

その言葉1つで、私の心なんて簡単にあなたに奪われる。

元カノでも、同居人でも、前後の席のクラスメイトでも、どんな関係でもいい。

特別なら私は、また好きになってもらえるように。

頑張れる。
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