また君と恋する
ギシッ。

「っ!」

「っ!」

階段を下りる足音がして、咄嗟に身体を離す。

そこでようやく気付いた。

「ご、ごめん。涙で濡れちゃった」

早瀬君のシャツが涙で濡れていることを。

「へーき。すぐ乾くだろ」

「由麻ちゃーん。どこー」

ふと見ると、階段の前に虹心が眠そうに立っていた。

「起きちゃったの」

「由麻ちゃーん……」

私に気付いた虹心が駆け寄ってきて、膝の上に座った。

「由麻。最後に1つ。どーして別れようと思ったの?」

当然の質問かもしれない。
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