また君と恋する
「えっと。早瀬君が私を好きなのか分からなくて不安になったり、女の子に言い寄られているのを見て嫉妬したり、そういう醜い感情を持った自分が嫌になったから」

会話が分からないだろう虹心は私と早瀬君へ交互に視線を移している。

改めて口にすると恥ずかしい。

でも。

「そっか。分かった」

早瀬君は立ち上がりながらそれだけ言うと、階段の方へ消えていった。

「おにーちゃん、嬉しそうだったね」

虹心が言う。

「そーだね」

嬉しそうかは分からなかったけど、虹心が言うならそうなんだろう。

引っかかっていた心の棘が取れた。

嬉しさでニヤけそうになるのを抑えながら、ふと。
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