また君と恋する
「でしょ! ビックリでしょ! あたしも最初に聞いた時はビックリしたよ」

無理やり作ったように笑う深丘ちゃん。

それが耐えられず、気付けば深丘ちゃんの手首を掴んでいた。

「こっから俺と深丘ちゃんは別行動で!」

言い残し、彼女を引っ張ってその場を離れた。

「結大君!?」

驚く深丘ちゃんの声にも、引っ張る向きとは反対方向に引かれる力にも気付いていたが、人混みを分けて進む。

千星達が近くに見えたところで、ようやく足を止めた。

「結大君、どーしたの?」

「いきなり引っ張ってごめん。それと……我慢させて、ごめん」

それだけで何のことか察した深丘ちゃんは首を振った。
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