また君と恋する
……?

よく分からないけど、志希が珍しく焦っていたのにちょっと驚いた。

帰らないでくれと言われたので、引き返し上履きに履き替えて待つ。

それから間もなく。

「由麻!」

電話越しじゃない志希の声が私の名前を呼んだ。

「どーしたの?」

現れた志希は深刻な表情をしていた。

「由麻、助けてほしい」

その言葉に心がざわつくも、何か余程のことがあったとだけは分かる。

「私にできることならなんでもするよ」

落ち着かせる意味でもそう言うと、志希は安心したように少しだけ口角を上げた。

そのまま志希に手を引かれ連れて行かれる。


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