また君と恋する
ここに来るまで志希から簡単に状況を聞いた。

『明日飾るはずの青団の横断幕にペンキがこぼれて、手直しするのに人手も時間もなくて困ってる』

そう聞いた時はビックリした。

いや、前日にそんな事故が起きたことも驚きだけど。

それよりも、応援団でもなんでもない私なんかに志希が頼み事をしたことに驚いた。

どうして私に?

私が元美術部で人手になると思って頼んだの?

考えても分からない。

でも、嬉しかった。


志希に連れられて現れた私を見て、みんなが目を見開く。

私は非常に重たい空気を感じながらも、端で青ざめる有馬さんに目が行った。

なんとなく状況を察した。
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