また君と恋する
「ペガサスの重要な部分は生きてるので、こぼれたところを中心に……」

「……ああ、なるほど。それならなんとか」

石原先輩とどう手直しするか話し合う。

少しの人手を借りて、応援団には予定通り練習してもらうことになった。

教室に、私と石原先輩、それと応援団数人が残る。


不思議な感じだった。

運動が苦手で活躍の場がない私は、いつも蚊帳の外のように感じていた。

生徒が主役の体育祭。

みんなが一丸となって戦う姿は好きだし、非日常を味わえるようで楽しい。

でも、その中にいるはずなのに、どうしてか心地悪い場所のように思えた。

楽しいのに思い出に残らない、それが私にとっての体育祭だった。
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