また君と恋する
「先輩達、休憩ですかぁ?」

いつの間にか傍にいた有馬が声をかけてきた。

俺は逃げるようにここを離れようとした時。

なんとなく彼女には大きすぎるジャージに目が行った。

胸に【早瀬】の名前が。

俺のジャージだ。

「それ、俺のだよな」

「はい。ちょっと借りちゃいました」

悪びれる様子もなく言う有馬に思わず眉を顰める。

「貸した覚えねーんだけど。返せ」

「えー、ちょっとくらいいいじゃないですかぁ」

面倒くせぇ。

睨みつけるように、返せ、と目で訴えて、有馬は渋々ジャージを脱いで俺に渡した。

「結大。その茶やる」

結大にそれだけ言い残して、俺はジャージをしまうためその場を後にした。


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