また君と恋する
結大や俺を見つければいつもこの調子。

教室の床には制作中の横断幕が広がっていて、周りにペンキ缶や筆が置いてある。

さすがに見えているだろうと目を逸らそうとした、その瞬間。

ガンッ────ベチャッ!

有馬がペンキ缶を蹴り倒し、中に入っていた青色のペンキが横断幕に広がるようにこぼれた。

「……」

俺だけでなく、その場にいた全員が唖然とする。


一瞬の沈黙の後。


「きゃー!」

「やばいやばい」

「うそー」

「戻せ戻せっ」

悲鳴に喚声、阿鼻叫喚。
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