また君と恋する
一気に騒めき立つ教室。

ペンキ缶を立てるも時すでに遅し。

横断幕の上に海ができてしまった。

「最悪……」

横断幕制作の中心だった石原先輩が重い一言を呟いた。

「うっわ! なんだこれ」

「ひどっ」

騒ぎを聞きつけた団長や他の応援団員がやって来て、状況に驚愕する。

そして。

「誰、こんなことしたの」

誰かから不意に出たその言葉で、責めるような視線が一斉に有馬へ向いた。

やってしまった、と青ざめる有馬。

「有馬かよ」

「あいつ、調子乗ってたもんな」
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