また君と恋する
走らなきゃ。

「がんばれー」

誰に向けられているか分からない応援が広がる。

とにかく走らなきゃ。

痛いのに足も手も動く。

バトンって罪だな、ってつくづく思う。

これまでクラスのみんなが繋いできたバトン。

私なんかのせいで台無しにできない。

転んでも怪我しても、なんとしてでも繋げなきゃって思いに駆られる。

私は3番手で次の男子走者に渡した。

その際、

「よく頑張った」

と声をかけられて、肩の荷が下りた気がした。

……良かった。

私の後から伊藤さんもやって来て、次の走者にバトンを渡す。
< 249 / 475 >

この作品をシェア

pagetop