また君と恋する
救護所で先に伊藤さんが手当てを受けていた。

私をお姫様抱っこして志希が現れた時、伊藤さんも保健室の先生も驚いたようにギョッとする。

「こっちも怪我人です」

私を下ろそうとする志希を保健室の先生が止めた。

「待って。先に傷口を水で洗ってくれる?」

「分かりました」

そのまま近くの水道場に連れていかれて、やっと下ろしてもらえた。

「痛い?」

「ううん、平気。ありがとう」

しゃがみ込む志希に膝を洗ってもらう。

志希が脚に触れるたびドキドキして。

でも、志希の優しい声に胸がぎゅっと締めつけられる。


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