また君と恋する
のっけから天使と悪魔のキスで始まり、人間になってからも挨拶代わりのキスから濃厚なディープキスまで様々。

さらには際どいベッドシーンまで。

海外の恋愛映画ってこういうものなんだろうけど、一緒に観ているのが志希だからいつも以上に恥ずかしく思えてしまう。

だけど、どうしてか。

終盤にかけて1つ1つのキスシーンに寂しさが出るようになり、2人に別れの未来が待っているなら今だけでも幸せであってほしい、と気付けば見入っていた。

終わってみれば、心にぽっかり穴が開いたような気分になった。

ハッピーエンドだったのにそう思うのは、きっとそれほどまでに映画の世界に没入していたということ。

それに……。

いいな、なんて考えている自分に驚く。

「面白かったね……」

ポツリと呟いた。

恐る恐る隣に視線を移せば志希はこっちを見ていて、「うん」と笑顔を見せた。
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