また君と恋する
パラソル付きのテーブルと椅子は、みんなでバーベキューでもできるように、とお爺ちゃんが置いたもの。

夏休みになったらバーベキューをしたいね、なんて話していたのを思い出した。

頬杖をつき、テーブルに置いたスマホを爪で叩く。

一定のリズムでトンットンッと。

迷っていた。


躊躇するのは、もしダメだった時、これからも同じ家で暮らすのに気まずくさせてしまうこと。

居心地の悪さを感じたまま過ごさせてしまうのが、フラれた気まずさよりずっと辛い。

そうなるくらいなら内に秘めておくのがいい。

なのに。

これは私のわがままだけど、このままの関係を続けるなんて無理。

先へ進みたいって思った時点で、もう立ち止まっていられない。


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