また君と恋する
「虹心、わがまま言わないで」

「行かないのっ」

困った。

同じ保育園に通う遥海君と天緒ちゃんは、虹心を待ってそんな様子を静かに見ている。

すると、遥海君が虹心に近づいて

「虹心ちゃん、いこっ」

と手を差し出した。

虹心と同い年なのに。遥海君、いい子!

「……」

それでも虹心は手を取らず膨れるだけ。

「もういい。お姉ちゃん、虹心なんか知らない。遥海君と天緒ちゃんと先に行っちゃうもんね」

私は右手で遥海君と、左手で天緒ちゃんと手を繋ぐ。
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