また君と恋する
「おはよう」

照れながらも返事をすれば、笑顔を見せる志希。

さっさと朝食を準備しにキッチンへ行ってしまった。


いつもなら、朝から会えるの嬉しい、と思うのに、こういう時はちょっと戸惑う。

意識すると照れが出て、そんな顔を見られるのが恥ずかしいのに。

どういう顔して会おうか、考える時間さえない。

ふぅ……。平常心、平常心。

自分の頬を触って緩んだ表情を戻す。


テレビで時刻を確認して、そろそろ出発の時間になった。

よしっ。

鞄を持って出ようとする、しかし。

「ぐへっ」

襟を引っ張られて止められた。

首にシャツがめり込んで変な声が出る。

な、なに!?
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