また君と恋する
ビックリして振り向くと、志希が不服そうな顔で立っていた。

「いや、なに先に行こうとしてんの」

「えっ?」

「わざわざ時間ずらす必要ねーだろ」

「えーっと……それって、つまり」

「一緒に行くよ」

ほら、急にこういうこと言ってくる。

……平常心なんて無理に決まってる!


志希を待って、一緒に家を出る。

今まで同じような時間に家を出たことはあっても、一緒に行くことはなかった。

初めから別々に登校していたから、なんとなくそれが当たり前になっていた。

一緒に登校するなんて考えたことなかったけど。

そうだよね。

これからは違うんだよね。

一緒にいる時間が増えて、一緒にいることが当たり前になる。

本当に関係が変わったんだ、と実感した。


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