また君と恋する
「今、志希と湊君って部屋にいるの?」

「うん、いるんじゃない。目が覚めてすぐ部屋を出たから喋ってないけど」

部屋へ戻る途中の階段を上りながら真白さんに聞く。

今日はまだ2人に会っていないので、つい気になった。

まあ、気にするようなことじゃないけど……昨日の今日だからかな。

早瀬家の部屋の前を通り過ぎようとした時、少しだけドアが開いていたのが目に入った。

咄嗟に目を逸らす。

いや、意識したわけではなくて。

シェアハウス内のルールに『お互いのプライバシーを尊重する』というものがある。

プライバシーがどこからどこまでという明確な決まりはないけど、部屋へ勝手に入るのはプライバシーの範疇なのでなんとなく見てはいけない気がした。

だから目を逸らしたわけだけど……。


「してねーよ!」


そんな叫び声がして、思わず足を止めた。
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