また君と恋する
声がした早瀬家の部屋へ、反射的に視線が向く。

ドアノブに手をかけていた真白さんも、驚きのあまり手が止まっていた。

「してねーならそうやって言い返さねーだろ」

聞き馴染みのある声。

こんなに怒りの感情がこもっている声を聞くのは初めてだけど、明らかに志希の声だった。

……ってことは、先に聞こえた怒号は湊君の？

「俺のせいじゃねーよ！」

「本気で言ってんのか？」

「みんながうるさいからだよ」

「ふざけんな。みんなが気を使ってんのが分かんねーのか。お前だけの場所じゃねーんだよ」

真白さんが勢いよくドアを開けて部屋へ入ると、志希が湊君の胸ぐらを掴んでいた。

「ちょっと！　あんたら何してんの！」

真白さんが止めに入る。

あまりの衝撃的な光景に、私は部屋の前の廊下で立ち尽くすしかなかった。
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