また君と恋する
「……。由麻はさ、今の高校の志望動機って何?」

「志望動機? んーと……聞きたい?」

「うん」

なんでそんなことを聞くんだろうって、真白さんから『進路に悩んでいる』って聞いていなければ不思議に思ったかもしれない。

それに答えることで何か役に立つなら素直に話そう。

……って言っても、絶対に役に立たない動機なんだけどね。

「家に近かったし、私の頭でも無理しないで入れそうだったから。虹心の面倒を見るためには近い学校が良かったんだ。っていうのが1番の理由なんだけど……。決め手は」

「決め手?」

「好きだった人がその高校を志望してるって知ったから」

「えっ、そんな理由?」

「不純な動機でしょ。でも、全然後悔してないよ。もうそんなこと考えられないくらい目まぐるしい毎日だからね」

「ふーん」

湊君は薄い反応だった。

でも、最後に小さく笑顔を見せた。


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