また君と恋する
さすがに疲れを誤魔化せなくなり、それぞれ部屋に戻っていく。

「由麻」

私を呼び止めたのは、湊君だった。

「なに?」

「これ。由麻の?」

そう言って何かを差し出してきて、私の手のひらに乗せた。

手のひらのそれを見て、私はビックリする。

「えっ、なんで?」

「リビングに落ちてた」

それは、イルカのキーホルダーだった。

どうしてここに?

これは箱に入れて見えないようにしまっていたはずなんだけど。

……出した覚えがないので、虹心あたりが勝手に取り出したのかな。

「ありがとう」

お礼を言ってポケットに入れた。
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