また君と恋する
志希の背景画を見たのは初めて。知らなかった。

示し合わせたわけではなく、本当にただの偶然。

そもそも、志希が家の風鈴を写真に撮っているとは知らなかった。

「背景も同じに見えるけど……たまたまだよね?」

女子から期待の眼差しで問われる。

たまたまです。

たまたまなんですが、付き合っているのは事実で……。

まさかこんな偶然が起きるなんて思わなかった。

曖昧な証拠ではあるので、隠し通そうと思えば隠し通せるからこそ答えに困る。

なんて答えようか言葉に詰まっていると。


「付き合ってるよ」


その言葉が隣から聞こえた。

次の瞬間。

「きゃー!!!」

クラスがどっと沸く。
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