また君と恋する
「そう。今付き合ってるってことは、噂は嘘だったのかね」

「そーいや、体育祭でお姫様抱っこされてたのって葉石さんじゃなかった?」

「うわっ、そーだ! その時からなのか。志希君って彼女いないのがポイント高かったからなー」

「結大が別れていなければ死人出てたね」

そのまま彼女達の会話は遠ざかっていった。

トイレに誰もいなくなってようやく個室から出ると、同じタイミングで深丘も隣の個室から出てきた。

「あちこちで噂されて、由麻も大変だね」

「はは……。人気者と付き合うってこーいうことか」

「特に志希君は、女の影がないのが人気の理由の1つだったからね」

「噂だけで済んでるのが幸いだよ」

「お姫様抱っこ事件と結大君が別れた噂がなければ、実害があったかも」

「怖いこと言わないで」

深丘に言われて、急にガクブルしてきた。


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