また君と恋する
「石原先輩。お疲れ様です!」

「お疲れ。葉石さんも文化祭実行員共の下僕になってるんだってね」

体育祭や去年の文化祭でお世話になった美術部の石原先輩。

入口に飾るアーチ作りをしていた。

「なんか先輩、言葉に棘がありますよ」

「そりゃ、3年生の俺にこんなことを頼む実行員に恨みがあるからね」

「なるほど……。あっ、手伝いに来ました」

「ありがとう。助かるよ」

私のクラスは、リアル脱出ゲーム『2年E組からの脱出』をやる。

問題作りを除けば内装に時間は取られないので、文化祭まで日にちがある今の期間は、アーチや看板作りを手伝うことになった。


「それ、なに。アーチ?」

わりと人通りのある場所でビニールシートを広げて作業しているせいか、よく生徒が通る。

その中で、聞き覚えのある声がした。
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